映画『スクリーム』

 このシリーズ観たことなかったんだよね、実は。そこかしこで「ホラー好きです」と言ってるのにこのシリーズ観てないのはどうなのとも思っていて、今回レンタルしてきて通しで観てみた。

 率直にかなり面白い。最近は別の作業をしながら流しで映画を観ることも増えたけれど、一作目の有名な冒頭(ドリュー・バリモアが電話しながら殺される場面)シーンから引っ張られ、ぶっ通しで四作目まで観てしまった。

 スラッシャー映画を観ているときの(たとえば『鮮血の美学』を観ているときのような)いかがわしいものを観ているような下世話な感覚というか、殺人鬼に対する恐怖心を執拗に描写したり、やたらと悲惨さを強調したり、過剰なゴアシーンを見せつけたりするような、ジメジメとした陰湿さがほとんどなく(一作目はちょっとだけあるが)、どっちかというと二作目以降はもはや海外の連続ドラマを観ているような感覚だった。まあ低予算ホラー映画に比べるとぜんぜん商業的な作品なので、当然ではあるのだろうけれど。

 ホラーというジャンルに対する自己言及性の高い映画だけど、基本的に娯楽性を主とした"観客の想定を裏切っていく"タイプのメタフィクションであって、暴力や倫理だのの小賢しいメッセージとか批評性がほとんどないのも、ホラーというジャンルに対する愛情が感じられてとてもよかった(俺はミヒャエル・ハネケの映画が大嫌いなんだよ。『ベニーズ・ビデオ』だの『ファニーゲーム』だのがさ。「暴力を娯楽として消費している」なんて、PTAの小うるさいおばさんと変わらない言説だろう?)。ウェス・クレイヴンが知性的なイメージなのはこの映画が理由なのだろうなあ。

 ホラー映画の登場人物は概ね「殺されるためだけ」に出てくることが多くて、取ってつけた書き割りみたいなキャラクターであることが多いけど、この映画はシリーズ通してメインキャストが共通で(この辺も連続ドラマ感がある)、キャラクターがきっちり立っている。これはホラー映画ではかなり珍しい。このあたりの造型がしっかりしてるから四本もナンバリングが続いても面白く観られるんだよな。これだけ撮ってほとんど同じように楽しめる映画(ホラーなんて特に)なんてほとんどない。たいていは2-3で失速してしまい、あとは出がらしになる。

    みんな美人揃いなのもポイント高いよね。シリーズ通して主演から脇役までどこに目を向けても美人、美人、美人……。女子命!のホラー映画にとってここまで美人使い放題なのは垂涎ものじゃないのか。ネーブ・キャンベルもコートニー・コックスも綺麗だし、サラ・ミシェル・ゲラーも出ていた。

 その反面、疑問が生じるくらい男のクールやセクシーさとは無縁な構成なのだけれど。