十文字幻斎『閃光の催眠術入門』

 先日もBirdie氏の『世の中で悪用されている心理テクニック』が出たばかりで、今度はいまや時の人となった十文字幻斎氏の『閃光の催眠術入門』が出版されました。

 はて、もしかして知らないところで催眠術ブームでも来てるんでしょうか。催眠術のことばかり考えているのでバイアス掛かっているだけなんでしょうか。いや、きっとそうなんでしょうね。

 こうやって"催眠術"という幻想のヴェールを剥ぎ、間口を広げていこうとしている方々には頭が下がりますね。

 内容はマグネットフィンガー、拳のカタレプシー、階段深化法、笑い催眠、味覚操作、など全10種類。なんと動画付での解説です。ショーの映像まで付いてます。幻斎氏のショーはとても面白いですし、参考になる部分がたくさんあります。

 以前であれば深化法や感覚支配・感情支配の掛け方を知ろうと思って催眠術のDVDを買うと普通に倍以上の値段がしていたわけですが、この本恐るべきことに1,400円ですよ。昼飯を我慢したら買えます。少し前では考えられないような価格です。

 まあ僕は完璧に我流なので、催眠術業界について全く知らないのですが「これ(古典催眠)くらいならバラしても大丈夫でしょう」というような業界的なコンセンサスが出来上がってきたんでしょうか。それともひとえに幻斎氏やBirdie氏の良心によるものなんでしょうか……。わかりませんが、とにかくこの本も驚きの低価格です。

 『世の中で悪用されている心理テクニック』で「30秒カタレプシー」と「好き好き催眠」を学び、この本で「階段深化法」と「笑い催眠」「味覚変換」を学び……とやっていれば、マジシャンのパフォーマンスで使う催眠術としてはさしあたり十分なレベルに達します。逆に、これらの方法を既に知っているマニアには特に新しく得るものはないかもしれませんが。

 とはいえ、幻斎氏個人の生い立ちについてや、テレビで芸能人に催眠術を掛けたときのウラ話的なエピソードなど、読み物としても面白い内容で非常にオススメです。エンターテインメントで食べていくことの難しさや、催眠術というものが幻斎氏自身をどのように変えたのか。僕自身は大ファンなので、本人の人柄のよさが伝わってくる内容で非常に感動的でした。

 幻斎氏は催眠術のレクチャーDVDも出しています。そちらでも幻斎氏は多彩なカタレプシーから幻覚域まで、ひと通りの解説をしています。催眠術レクチャーとしては破格の安さですので、興味があれば探してみるとよいかと思います。